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特撮・アニメの作品レビューの同人誌を発行しています 大泉パラダイスのブログです。
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最後に紹介された新曲はなんとガミラス国歌。

スタッフトークの中でもガミラスの設定を、星間国歌としてもう少し体裁を整えたものにした、という話はありましたのでその延長で、なるほどその一環かと受け止めました。

アニメに於ける国歌はオネアミスの翼とか逆襲のシャアとかの前例もありますし、何か足りなかったピースがはまった感じ。

スクリーンには出渕さん作詞の歌詞が。
「ガーレ、ガミロン!」
ジークジオン!的な。


出渕さんと彬良さんの解説。ガミラスのテーマ曲というのはなかった。ヤマトの曲の中で新しく作る曲はこれしかなかった。
さすがに「国歌」を書いたのは初めて。このモチーフを様々に展開させて心情曲などに使う。

この歌を出渕さんと彬良さんが生歌。
ちゃんと伴奏はありました(アカペラはさすがに…)。

かなり重厚なメロディと演奏。

完結編で彬良さんが作曲した「大ディンギル帝国星」という名曲がありますが、ちょっと彷彿とさせるものがありました。
あの曲も彬良さんのコンサートで演奏されて、当時の思い出や解説を聞いたことがあります。


以下筆者個人の感想です。

歌詞は「ガミラス」という単語の語尾を活用している訳ですが、こうやってみるとガミラス語に「ガミロン」という名詞があって、それが例えば「栄光」という意味だとすると、その形容詞形が「ガミラス」で「栄光を担う」とか「栄えある」という意味になる、みたいな面白さを感じました。
「ガミラス星」が「栄光の星」っていう意味ならまた違うニュアンスで面白いなあと。
「ガーレ」が「讃えよ」なら「栄光を讃えよ!」かなあとか。

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「宇宙のお葬式」絡みの解説はもう少し続きます。

ロックの譜面はそれほど細かく書かなくてもプレーヤーさんに後はよろしくねでなんとかなる、クラシックだとビオラのパートとか細かく書かないといけない。
M-1の時は時間に余裕があったけどM-22の時は時間がなくなってたんじゃないかと会場を笑わせます。


ロックにも色々あれど泰先生も彬良さんも好きだったのがプログレッシブロック、中でもELPというバンド。
だいたいこんな曲です、と演奏。
そのコードを応用すると「サーシャ」になったりヤマトっぽいメロディが生まれる。
ちょっとその誕生の瞬間に立ち会えたような錯覚。

このコードを使った曲としてM-5「空母の整列」新録音バージョンが掛かります。

次にかかるのが「艦隊の集結」。
似たようなモチーフのこの二曲がいかに違うか、いかに宮川泰がかんばったかという様子を「父はバッターボックスで一生懸命バットを振りました!」という楽しい例えで紹介。
ティンパニとバスドラムとブラスの低音で始まる、ドメル艦隊が集結する場面のあのドスの利いたド迫力の曲(ちなみにこの曲はヤマトが始動する時にも使われていて「艦隊の集結」というタイトルはBGM集で付けられたものかも)。
オーダーは「ベンハー」だったとのこと。


そして次に紹介される曲として彬良さんの口から出て来た意外なタイトル、これがなんと「コスモタイガー」(ちなみに当時の正確な曲名は「新コスモタイガー」)。

最初の26話にはコスモタイガーは出ていないが、とここで出渕さんが説明、「ヤマトよ永遠に」で初めてコスモタイガーの曲が出て来て(正確には「新たなる旅立ち」)今回のヤマト2199ではその曲を使いたいということをチーフディレクターの榎本さんが発案。
それが条件付きで…


「これにワンダバを載せてほしい」



すげー!
この意外さ!意外なくせに瞬時に合点が行ってしまうアイデアの妙!
これはすごい、すごい瞬間でした。
すいません、あまりのすごいアイデアに爆笑してしまいました。
実はこの曲、私ももちろん好きなんですが、どこかもう少し何かが付け足せる気がしていて、それは歌詞なんじゃないかってずっと思ってたんです。
後ワンダバを集めたCDを良く聴いてて、中でもウルトラマンダイナの歌詞付きのワンダバ(作曲/佐橋俊彦)が好きなこともあって(「うたかたの空夢」での印象的な使われ方も勿論)、コスモタイガーにも歌詞があったらなあと考えてたんですが、ワンダバそのものを載せるっていうのは思い付きませんでした。

ちなみに「ワンダバ」はウルトラシリーズの防衛隊の出撃シーンにしばしば使われる男性コーラスをフィーチャーした楽曲の総称。初出は帰ってきたウルトラマンのMATのテーマ曲。

そしてその「ワンダバコスモタイガー」も披露!
彬良さんの躍り付き!(笑)
いや躍りはオーバーですが、ワンダバが入る所で身ぶりが入るのが楽しく、会場からも手拍子が起こります。
彬良さんの、「(ワンダバを載せてみると)これが嫌じゃない。すごくいいかは別として」というコメントもなんとも楽しく、この曲を無理なく受け入れ易くものにしてくれます。

いやあでもこれも「ヤマト」なんです。
新作が作られる度に何か新しい要素が加わって、それは例えばパイプオルガンだったり、沢田研二だったり、シンセサイザーだったり、島倉千代子だったり、それが「ワンダバ」ですよ今回。嬉しくって笑うなっていう方が無理です。
ヤマトの歴史にまた一ページ。
スタッフトークコーナーが終了。
結城さんと氷川さんが退場を促され、出渕が残って。

ヤマトと言えば音楽!という司会者の口上で宮川彬良さん呼び込み。


まずは宮川彬良さんにとってヤマトの思い出は?という質問に「それに答えるには4時間半かかります」。
そのとぼけた調子の中にヤマトへの思い入れを確実に感じさせてくれる話ぶりで会場のヤマトファンを笑わせてくれます。


出渕さんから自分がヤマトに始めて関わったのは「ヤマトⅢ」で彬良さんも始めて名前が出たのがヤマトⅢなので同期の桜のようなもの、というお話が(ちなみにその時の表記は宮川晶。曲は第七機甲師団)。

更に彬良さんからはさらば宇宙戦艦ヤマトでパイプオルガンを弾いていたのは私です。会場から大きな拍手(ちなみにこの話は彬良さんのコンサートでもっと長い苦労話を聞いたことがあります。たしか足の鍵盤を踏む担当などもいたそう)。

更に出渕さんからテレザートに空間騎兵が降下する時の曲も彬良さんだって言ってませんでしたっけ、というこれまたレアな話まで。
お父さんが使ってくれたとのこと。


そして父・宮川泰が作った七十数曲を耳でコピー、父がしたのと同じ苦労をしたのでヤマトファンの皆さんにも納得していただけるのではないかと思いますと、我々ヤマトファンの心を温かくするお言葉を会場が噛みしめます(て言うか自分がですが)。


こうしてつかみはオッケーなトークの後にで本題へ。


ステージの扉が開くとグランドピアノが置かれていて、おお~という歓声。お父さん譲りのトークが始まる予感にワクワク。


二曲弾くのでどちらが好きかという前振りがあって。

まずは「M-1」。
あの美しいメロディ。
開幕までの待ち時間でも繰り返し流れていた「美しい大海を渡る」(イスカンダル)。

冒頭の八小節くらいが弾かれて、リタルダンドして(ゆっくり)終わります。

拍手が起こりますが演奏が目的ではなく宮川音楽の解説が始まるところです。
ああこういうのを待ってました。
宮川泰先生もトーク番組やコンサートで、形は違いますが新聞連載でも楽曲の解説を楽しくしてくれてました。
大好きで追い掛けるように観てました。
次に弾かれるのは「M-22」。
あの物悲しいメロディ。
「無限に広がる大宇宙」(宇宙のお葬式)。
イスカンダルの後に聴くとまた格別です。


さあどちらが好きですか、ってある意味酷な質問なのですが(笑)彬良さんが持って行きたい方向は明らかなのでそれに乗っかってイスカンダルにもそれなりに拍手がありつつ、宇宙のお葬式により大きな拍手。
やはりそうでしょうという感じで彬良さん嬉しそう。
お父さんもこちらがお好きだったと、懐かしんでもいらっしゃる様子。


M-1の方は1というくらいだから父が宇宙をイメージして最初に作曲したと思われる、「オズの魔法使い」の「Over
the Rainbow」風にというオーダーだったそう。そちらも弾かれます。

M-22は作曲時には「宇宙のお葬式」というタイトルだったようにちょっと哀愁を帯びていて。


彬良さんが本当に語りたいことはここからです。

この曲、交響組曲を聴いたせいもあって、クラシック調、チャイコフスキー風と皆さん思っているかもしれないが、実はロックなんです!
しかもヤマトの曲の七割五分はロックなんです!キターーーーーーー!!!!!!!
ヤマトがその原点に戻って行く瞬間です。
よく「原点回帰」って言葉がシリーズ作品とかで使われますけど、きちんと分析・検証によってその本来の良さ・意味というものを確認する作業がどれほど行われているでしょう。
歴史というものがただ体験者のみが知り得るだけではなく、勉強によって追体験可能、共有し得るものだということが高らかに示されようとします。
ついでに言わせていただくなら筆者自身もこの曲の良さについては全く同じ思いを抱いていました(拙本には書かせていただいています)。

そして会場に鳴り響きます、宮川彬良によって新録音された「宇宙のお葬式」(無限に広がる大宇宙)!

あのスキャットと共にドラムによって刻まれるリズム!ベースによって響く低音!それに合わせて躍る宮川彬良!あはははは!楽しい!なんて楽しいんだ!
ベースギターを弾くポーズ、下半身をガニ股にしてリズムを刻む彬良さんの楽しそうな顔と姿をはっきり思い出すことが出来ます。

そう!そうなんですよね彬良さん。敢えて書いてしまうなら交響組曲の序曲のあのスキャットにちょっとがっかり(は本当に語弊があるんですけど)したとすればそういうところなんですよね。勿論交響組曲はそれはそれで本当に素晴らしかったのですが。

彬良さんも宮川泰の息子としてヤマトの音楽が好きだった、我々も一視聴者としてヤマトの宮川音楽が好きだった。彬良さんがもしただの少年だったとしてもヤマトの音楽が好きになっていたに違いありません。


これ!
これですよ!テレビまんががアニメと呼ばれる歴史的瞬間を高らかに歌い上げた名曲は!

第1話の上映が喝采の中で終了。

古代進と島大介によるアナウンス。
階級と名前をそれぞれ自己紹介。
イベント来場者への謝辞(この辺から普通にイベントっぽくなる)、スタッフトークの開始宣言、司会の声優さん二人の紹介。

ヤマトの新女性キャラクター役の二人の声優さん登場。

トークコーナー出演の出渕裕さん、結城信輝さん、氷川竜介さん登壇。


スクリーンにヤマトの基本設定を大まかにまとめた文章が表示され、これを基にトーク。


アニメ史に於いてのヤマトの存在意義ーテレビまんがからアニメと呼び名が変化ーアニメ誌の創刊ー後続作品への影響などが氷川さんから語られる。この話はスライドのタイトルが「ヤマトでアニメが変わった」というものだったため、そうではなくてアニメという呼ばれ方自体がその頃はまだなくて、という流れで始まりました。


当時氷川さんと出渕さんが作った同人誌を示しながら「ヤマトは何かしなければと思わせる作品」。ヤマトへの愛故にここをもっとこうすれば良いのに、といったことを書いた。

但し出渕さんからの「手伝ったのはコンバトラーV特集の時」という軽い落としも楽しく(謙遜ついでだと思いますが)。

出渕さんが氷川さんのご本名をさりげなく口にした瞬間もあり親密さを滲ませつつ。


ヤマト第1話、いきなり戦闘シーンから始まって後から設定が説明されるというストーリーテリングが後の作品のフォーマットを決定づけたなどなど。


ヤマトの歴史、言わば「ヤマトサーガ」と共に生きてきたこの方々の手でリメイク版が作られたことを本当に嬉しく思えました。


因みに結城信輝さんはヤマトの頃は小学生なので同人活動などがあったこと自体ご存知なかったとのこと。


他にも関係者が首から掛けていた乗艦証(だったかな)が入場者プレゼントとして配れているという話に、我々観客がえっそんなの入ってたのという感じでもらった袋をガサゴソ漁る場面も。
私は袋の中身とかはお土産で家に帰ってから見ることが多いので全く知らなかったのですが、中のチラシやリーフレットをチェックした人でも下の方にあった乗艦証には気づかない可能性が高かったでしょう。


他にもワープという単語を一般的なものにしたという話(宇宙エースに出て来なかったっけという出渕さんの自由な発言)


2199本編でオリジナルを改変した箇所についての理由説明など、司会の方々が進行時間を気にしながらの濃いトークが行われました。


このコーナーに限らず出渕さんの発言の所々に、違う意見や異なる見解があろうけれども自分の考えでこのように変えた、という言葉が散見されました。


閉幕時の挨拶には「火中の栗を拾う」という言葉も。

ヤマトの歴史に手を付けるということの重みを理解して仕事をする覚悟が(それをおくびにも出そうとしない態度の奥に)痛々しいまでに感じられました。


ナイーブな人間には出来ない仕事だと思います。


一ヤマトファンとして心から敬意を表します。



因みに↑この項の見出しは映画「ウルトラマンサーガ」のシナリオ表紙に印刷されていたタイトル「ゼロ・ダイナ・コスモス ウルトラマンサーガ」をもじってみました(シナリオはお正月だよウルトラマンの展示にて)。


しかし今回のヤマト2199、ウルトラと絡める意味があるんですよね~。その理由は次の項で。
「宇宙戦艦ヤマト2199」の第1話が上映。

いつもの当ブログですと「以下ネタバレ有」と注意書きをして感想とか書くところですがとりあえずここでは内容には触れません。

今回のヤマトは作品内容もさることながらイベントを通じて現れた事実性とでも言いますか、作品にまつわる諸々のことをまずは記録しておきたいと思うからです。


このレポートの書きっぷりなどからそこの部分が少しでも誰かに伝わるならば、そういう方に4月7日からの公開に足を運んでもらいたい。
そう願っています。


ヤマトは一回沈んだ艦です。

いくつかの過ちもありました。

でも今おそらく実現し得る最も理想的な形で飛び立とうとしています。

イベントの中で宮川彬良さんが新しいテーマ曲を歌うことになった結城アイラさんに掛けた言葉が一番ぴったりだと思いますのでここに書きます。多くの人に、特に個人的にはかつてヤマトに夢を描いたことのある、同じ気持ちを抱いた人に届いて欲しいと思います。



一緒にこの艦(ふね)に乗って旅に出ましょう。
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