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大泉パラダイスのブログです。
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書籍「特撮秘宝」で、映画「日本海大海戦」(1969年)の特撮で使われた
戦艦三笠のミニチュアについての記事を読んで
DVDで「日本海大海戦」を見直す。
円谷英二、生前最後の特技監督作品としてのすごさもさることながら、
本編シーンで、旅順でロシア軍と日本軍との戦闘シーンは、
見晴らしのいい野原にいる大量の日本兵に向かって
ロシア軍が加農(カノン)や機関砲を撃ち込む、この映像イメージは
「仮面ライダーV3対デストロン怪人」で
タイホウバッファローがデストロン怪人もろとも三人ライダーに
がんがん大砲をぶち込むシーンに、その映像イメージが受け継がれているのではないだろうか。
個人的には先に「V3」を観ているのであるから、
自分の原体験のその源流を見る思いである。
「丁字戦法」として名高い、
ロシア艦隊に対し、日本艦隊が横腹を見せる形で陣を組んで砲撃をする戦法だが、
この、“横方向への砲撃”という映像は、宮﨑駿は「名探偵ホームズ・海底の財宝」や
「天空の城ラピュタ」など、割と好きなイメージなのではないだろうか。
戦艦が主キャラクターである「宇宙戦艦ヤマト」にはあまり出てこない。
特に波動砲は正面にしか撃てないため(それこそ「艦首波動砲と呼ばれることもある)
自ずと作品のメインビジュアルは、一点突破方式でヤマトが敵に対峙するものとなるからだろう。
最近、友人に薦められて「蒼き鋼のアルペジオ」を観たが、
戦艦に搭載された必殺武器が、波動法のように艦首ではなく
舷側(艦の側面)が展開して出現する構造になっていて、
ヤマトと宮﨑作品の両方の良さを具備したシーンとなっており感心させられた。
また、「宇宙戦艦ヤマト」は、敵国家ガミラスを倒した後に
「我々は戦うべきではなかった」として、戦いそのものを反省するところに
作品の胆があり、これが敗戦国としての日本のメンタリティを色濃く反映していると思っているのだが、
この「日本海大海戦」にも、以下のような三船敏郎のセリフで
ほぼ同様の理念が語られる。
「わしの言う天佑神助は、勝っても驕らない気持ちだ。」
「戦うのは人だ。しかし人の力には限度がある。
何かの力の助けで勝てたんだという謙虚な気持ちを、
わしはそういう言葉で呼んでおるつもりだ」
ラストのナレーションでは
「戦いに勝って真にものの恐れを知った人の姿ではないか。
今この人から滲み出ているものは
正に戦いに勝ったことを恐れる心である。
戦争は勝つことさえ恐ろしいことを知った人の心である。
黙々として恐れ、黙々として歩み、歴史を通り過ぎた人、
その人の名は、東郷平八郎」
ちなみに「天佑神助」は、神の助けという意味で
「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」にも登場するが、
ここでは敵ガトランティスの大将が、それこそうぬぼれのセリフとして使う。
おそらくどこの国でも、外国語の発音というのは自国内で発音する時のネックになると思われるが、
たとえば「What time is it now」を「ほったいもいじるな」と言い換えるようなもので
「日本海大海戦」では、ロシアの戦艦の名前を日本語風に発音して覚えやすくしようと
上官(佐藤允)が下士官に、レクチャーするシーンがある。
以下、ロシア語名>日本語での呼び名で列挙するが
あくまでも映画内でのことで、史実かどうかはわからない。
「クニャージ・スウォーロフ」>「くにおやじ・すわろう」
「アレキサンドル三世」>「あきれさんだー」
「ボロジノ」>「ボロ出ろ」
「シソイ・ヴェリキィー」(ヴェリスキィーと発音されている)>「薄いブリキ」
「ドミトリー・ドンスコイ」>「ゴミとりごんすけ」
「イズムルード」>「水もるぞ」
まあ、当時のロシアは敵国なので仕方ないが相手を小バカにした感じは否めないし、
実際、この場面はそういうノリで描かれているが、
やはり近年も、外国の人名や国名をどう表記するかが問題になる場合、
友好的にいくのであれば、相手の発音に合わせるのがよいと思わせてくれるのも
過去を振り返る意味だったりするのだろう。
「特撮秘宝」の中で池田憲章が「これだけの俳優はもう揃わない。
この時代にしか撮れない映画」と言ってるいる通り、
人間が並んだだけで成立する画面の密度だけでも観るに値する。
この画面の密度は今はもう出ないだろう。
戦艦三笠のミニチュアについての記事を読んで
DVDで「日本海大海戦」を見直す。
円谷英二、生前最後の特技監督作品としてのすごさもさることながら、
本編シーンで、旅順でロシア軍と日本軍との戦闘シーンは、
見晴らしのいい野原にいる大量の日本兵に向かって
ロシア軍が加農(カノン)や機関砲を撃ち込む、この映像イメージは
「仮面ライダーV3対デストロン怪人」で
タイホウバッファローがデストロン怪人もろとも三人ライダーに
がんがん大砲をぶち込むシーンに、その映像イメージが受け継がれているのではないだろうか。
個人的には先に「V3」を観ているのであるから、
自分の原体験のその源流を見る思いである。
「丁字戦法」として名高い、
ロシア艦隊に対し、日本艦隊が横腹を見せる形で陣を組んで砲撃をする戦法だが、
この、“横方向への砲撃”という映像は、宮﨑駿は「名探偵ホームズ・海底の財宝」や
「天空の城ラピュタ」など、割と好きなイメージなのではないだろうか。
戦艦が主キャラクターである「宇宙戦艦ヤマト」にはあまり出てこない。
特に波動砲は正面にしか撃てないため(それこそ「艦首波動砲と呼ばれることもある)
自ずと作品のメインビジュアルは、一点突破方式でヤマトが敵に対峙するものとなるからだろう。
最近、友人に薦められて「蒼き鋼のアルペジオ」を観たが、
戦艦に搭載された必殺武器が、波動法のように艦首ではなく
舷側(艦の側面)が展開して出現する構造になっていて、
ヤマトと宮﨑作品の両方の良さを具備したシーンとなっており感心させられた。
また、「宇宙戦艦ヤマト」は、敵国家ガミラスを倒した後に
「我々は戦うべきではなかった」として、戦いそのものを反省するところに
作品の胆があり、これが敗戦国としての日本のメンタリティを色濃く反映していると思っているのだが、
この「日本海大海戦」にも、以下のような三船敏郎のセリフで
ほぼ同様の理念が語られる。
「わしの言う天佑神助は、勝っても驕らない気持ちだ。」
「戦うのは人だ。しかし人の力には限度がある。
何かの力の助けで勝てたんだという謙虚な気持ちを、
わしはそういう言葉で呼んでおるつもりだ」
ラストのナレーションでは
「戦いに勝って真にものの恐れを知った人の姿ではないか。
今この人から滲み出ているものは
正に戦いに勝ったことを恐れる心である。
戦争は勝つことさえ恐ろしいことを知った人の心である。
黙々として恐れ、黙々として歩み、歴史を通り過ぎた人、
その人の名は、東郷平八郎」
ちなみに「天佑神助」は、神の助けという意味で
「宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟」にも登場するが、
ここでは敵ガトランティスの大将が、それこそうぬぼれのセリフとして使う。
おそらくどこの国でも、外国語の発音というのは自国内で発音する時のネックになると思われるが、
たとえば「What time is it now」を「ほったいもいじるな」と言い換えるようなもので
「日本海大海戦」では、ロシアの戦艦の名前を日本語風に発音して覚えやすくしようと
上官(佐藤允)が下士官に、レクチャーするシーンがある。
以下、ロシア語名>日本語での呼び名で列挙するが
あくまでも映画内でのことで、史実かどうかはわからない。
「クニャージ・スウォーロフ」>「くにおやじ・すわろう」
「アレキサンドル三世」>「あきれさんだー」
「ボロジノ」>「ボロ出ろ」
「シソイ・ヴェリキィー」(ヴェリスキィーと発音されている)>「薄いブリキ」
「ドミトリー・ドンスコイ」>「ゴミとりごんすけ」
「イズムルード」>「水もるぞ」
まあ、当時のロシアは敵国なので仕方ないが相手を小バカにした感じは否めないし、
実際、この場面はそういうノリで描かれているが、
やはり近年も、外国の人名や国名をどう表記するかが問題になる場合、
友好的にいくのであれば、相手の発音に合わせるのがよいと思わせてくれるのも
過去を振り返る意味だったりするのだろう。
「特撮秘宝」の中で池田憲章が「これだけの俳優はもう揃わない。
この時代にしか撮れない映画」と言ってるいる通り、
人間が並んだだけで成立する画面の密度だけでも観るに値する。
この画面の密度は今はもう出ないだろう。
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