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特撮・アニメの作品レビューの同人誌を発行しています 大泉パラダイスのブログです。
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見出しの左は、従来通りの言い方で

右が近年、聞くことが多くなった(あるいは自分も使うようになった)表現である。

例えば公共の場などで、迷惑な行為にあった時などに相手にかける言葉として

「やめてもらえませんか」はストレートに行為を制する、

つまり「ストップしてほしい」という自分の意思を伝える文言だが

「やめてもらっていいですか」は、やや婉曲な表現で、

いきなり話者の希望を伝えるのではなく、

一旦、相手の行為を容認(するかのような表現を)した上で、

ストップする権限はあなたにあるので、その権限を行使していただいてよろしいでしょうか、

といった形で、話者側からの「禁止」のニュアンスを和らげている。

直裁なコミュニケーションができない(しない方がよい)ケースで

用いられる、または精練されてきた言い回しだと思われる。



ところで「機動戦士ガンダム」の中で、前から良い意味で気になっていたセリフがある。

「このスピードで迫れるザクなどありはしません」だ。

シャアのザクがホワイトベースに接近してきた時のオペレーターのセリフだ。

ポイントは「ありはしません」のところだ。

普通なら

「このスピードで迫れるザクなどありません」とするところだ。

しかし、富野由悠季(当時喜幸)は(と断定して構わないと思うが)

「ありません」ではなく「ありはしません」と、言わせるのだ。

いきなりの否定ではなく、一旦「有り」という肯定形を挟んでからの否定。

上の例のロジックと似てないだろうか、いや似てはいないだろうか。


ガンダムがヒットした当時のアニメージュに

他のアニメスタッフから見たガンダム評がまとめて特集されていた中で

長浜忠夫(ボルテスVなどの監督)が

「もっと普通の言い回しがあるのに、わざわざわかりにくい言い方をしている」
(文言は今、記憶だけで筆者が書いているのでかなり不正確)
といったようなコメントをしていた。

その時点で、ガンダムの良さそのものが分かってない、あるいは

それに対する拒絶なのだろうかと思ったものだが、
(ちなみに長浜監督の作品はそれはそれで筆者は好きである)

今になってようやく、その言葉遣いの回りくどさの意味するもの、

背景にある、コミュニケーションについて抱いていたであろう富野由悠季自身の

不全感みたいなものの表れだったのではないだろうかと思うのだ。
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