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特撮・アニメの作品レビューの同人誌を発行しています 大泉パラダイスのブログです。
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以前にお台場のガンダムフロント東京の安彦良和原画展でもあったが、原画をカットごとに該当するフィルムと二画面で比較して見せる動画がある。
従来を廃棄されてきたアニメの原画が展覧会で展示されるようになった、スタジオジブリ関連の展覧会によって一般化した近年の傾向だけでも感慨深いものがあるが、デジタル技術の発展によりその展示・鑑賞方法もかように進歩していることの貴重さ。

ガンダムが放送されていた当時は、まだ書籍発行側の理解もファンのリテラシーも高くなく、「原画」というワードを「キャラクターデザイン画(キャラ表)」の意味として狭義に捉えるケースもあったが、近年は理解が広がりアニメーションの製作工程における「動画」のひとつ前の工程を指すものとして、広く知られるようになっている。

展示を見ていると、劇場版などについては多くの原画が残されいるが、テレビ版に関して安彦良和の手によるものは「第一原画」と後年呼ばれるようになるものや、レイアウトのみのものが多い。

1話などは、安彦良和によるレイアウトが展示されているが、これの後に他のアニメーターによって原画が描かれているはずで(これは展示されていない。おそらく残されていないだろう)実際の画面と見比べた時に(これは鑑賞者が各自頭の中でやるしかない)、例えばアムロの顔(特に目の表現)などの違いに気付くこともあるだろう。
1話を観ていて原画を担当したスタジオZのカラーが出ている画面が多いと感じていたが、展示されているレイアウトを見ると、原画マンの手を経ることで安彦テイストが減じているケースもあることに気付き、考古学的な発見により新しい知見を得たような気持ちになった。

物を遺(のこ)すという行為が後々、予期せぬ豊かさを広くもたらすことになることを実感した。




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現地まで来て「ああ、前にキャプテン翼展で来たところかあ」と思い出して、上野の森美術館での大河原邦男展。
順路を逆行できない展覧会を初めて体験した。つってもホントに見たいやつは戻って見たけどな。
中でもガンダムの初期デザインと、ガンダムF91のラフを面白かった。

後者(F91)は大河原邦男ではなく、安彦良和の画。F91が安彦良和の画がベースになっているというのは不勉強ゆえか、これが初出の情報なのかわからないが知らなかった。

基本デザインは安彦アイデアで方向性がほぼ確定しており、大河原邦男はクリーンアップやディテールアップの役割になったことであろうことが、画稿の時系列を追うことで見てとれる。

そらに興味深いのが、大河原の画稿に富野由悠季が赤を入れているものが展示されていることだろう。ガンダムのパーツのラインに修正が入れられていて「クリーンアップを重ねるたびに、元のよさが失われていく」といったようなことも書き添えられている。

デザイン作業が一人のデザイナーの手のみを経て決定を見るものではないことが分かると共に、それを自らの名を冠した展覧会で公開した大河原の判断にも、学ぶところが多いと感じた。

ファーストガンダムの初期デザインにも興味深い点が多い。
後年、大河原によるイラストなどに、ガンダムのボディに「▼」のマーキングが描かれることが多いが、これが初期デザインにも存在するのが見られる。
稿を重ねるなかでこの三角マークは一旦なくなり、また復活、それが最終的に決定稿で、ガンダムの腰の前面にある「V」状の意匠となって残ることになる。

他の点。

ガンダムの股関節は、決定デザインでは腿(もも)の付け根と腰に隙間がないが、初期デザインには隙間が描かれており、むしろ初期デザインの方が可動範囲が意識されている。

などなど、図録にも採録されているが、書き込みの文章などの細かい点は展示物そのものの方が確認しやすい。
かぐや姫の手法で、宮﨑駿のイメージボードの水彩画タッチを生かしたアニメーションを作る、なんてことがジブリ美術館用の短編でなら実現できそうでは。
原作は知りません。会話が食い気味だったり、クロストークしたりする面白さがキモの作品だと思うのですが、まだまだ表情を高める余地があると思いました。キャラがスライドでフレームに入ってくるタイミング一つにも演出のセンスが出るものですよね。そういう、文字通りの「演出」がもう一つ。
あっという間にコミケ当日

大塚ルパンから宮崎ルパンを読む

という本を出させていただきます。


宜しくお願いします。
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