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思えば「仮面ライダー555」は当初は旅物としてスタート、予算の都合などから1、2話は九州を旅してましたが後はフェリーで一気、海を渡ってからはクリーニング屋に居を構えてシリーズが進行したのでした。思えば平成仮面ライダーシリーズは毎年世界観を新たにして継続。それぞれに新味のある設定で個々の面白さはあったものの、昔のように劇場版で歴代ライダーが勢揃いするといったイベントがないという寂しさもなくはなかったのですが、これを十年続けたことで、異なる世界を渡って行く旅物という画期的な設定が可能となった訳です。継続は力なりですね。しみじみ。旅先での出会いと別れ、道を同じくする者同士の友情、そんな旅者特有の情緒がアギト編の八代とユウスケの場面にはあったと思います。
予告を見た時点で「八代さん」が再登場するというのでかなり面白いなあと思っていた今回の「アギト編」、思った以上。この番組はパラレルワールドを巡るというお話な訳ですが、考えてみれば「クウガ」と「アギト」がそもそもパラレルワールドみたいなものだったんですよね。当時の白倉Pのコメントによると続編を希望する側の意向、希望しない側の意向を組んだ結果、アギトはクウガの設定を受け継ぎつつも直結した時代設定にしないことで、並列した時間軸で展開する世界にしたとのことでした。平成ライダーはそもそもこういう始まり方をしていた訳で、この事実そのものをドラマにしたような面白さが今回の「アギト編」。平成ライダーの立ち上がり方そのものが「ディケイド」の構想の準備となっていたような気までしてしまいます。そして各ライダー世界を巡る順番が放送順ではなかったことにも、クウガ編とアギト編との間に一定の期間を置くためだったという理由もありそうです。「ディケイド」という番組が作られた意義の一つがこの「アギト編」と言えるのではないでしょうか。
クウガ編の時に手近の物体を武器に変形させる様を見て「よく出来てやがる」という門矢士の台詞がありましたが、製作者の気持ちの吐露のようにも聞こえることが面白い所だったのですが、今回は「これならクウガはいらねえなアハハ」という、これまた登場人物の言葉であると共に当時のスタッフの気持ちなのではと思わせる台詞もあり、大変面白いです。G3Xの活躍ぶりをやや間抜けにすることで、この台詞をシャレになるレベルに落とし込んでいる所が救いだったりもします。
各ライダーの世界は互いが平行世界な訳ですが、たぶん「パラレルワールド」という言い方にはそういう意味のほかに、例えば「アギト編」が「仮面ライダーアギト」の「パラレルワールドになっている」という意味もあるはずです。いえ、そもそも我々が住んでいる世界もただ一つの世界のようでいて、実は起こりえるいくつもの可能性の一つが実現したに過ぎない世界でもある訳で、実現しなかったいくつかの世界があると考えれば、一つの「世界」に同時併行的なものを見ることも可能です。多分もの作りに携わっている人、特に多くの人がアイデアを持ち寄ってそこから選んだり削ったりして一つの作品に纏める仕事をしている人はそういう思いを抱いているはずです。今回のアギト編は特に元の「アギト」の設定がかなり生かされていることもあり、マイナーチェンジした部分の方が目立ちます。例えばグロンギの怪人をロード怪人が倒すという件。「アギト」の1話にはそういう描写はないのですが、「クウガ」の続編なのですからあってもおかしくはなかった訳です。当時取り得たかも知れない選択肢が選び直されている感じが実に面白いです。昔の「仮面ライダー」でショッカーがゲルショッカーに組織改編した際、ゲルショッカーの怪人がショッカーの戦闘員を処分するといった場面があったのを思い出しますし、「ウルトラマンタロウ」でも怪獣が超獣を倒すという件がありましたが、こういうのって続編に登場する新しい敵の強さを印象付ける常套手段でもあり、燃える展開なのです。
元の龍騎の世界から「ライダーバトル」と「タイムベント」を拝借して、ライダーバトルを裁判になぞらえて、タイムベントで犯人を見つけるという殺人事件の解決劇に仕上げた脚本がお見事でした。士とシンジの関係がもう少し描かれていたら、ファイナルフォームライドのシーンがもっと燃えるものになったと思いますが、昔の龍騎とほぼ同じライダーキックするディケイドはよかったです。